住宅の省エネ補助金は、2023年の「こどもエコすまい支援事業」以降、ほぼ毎年名前を変えながら続いています。名前が変わるたびに内容も細かく見直されているのですが、4年分を並べてみると、対象世帯や補助額、求められる性能基準に一定の「傾向」が見えてきます。
今回は2023年から2026年までの制度を比較しながら、補助金がどのように変わってきたのか、そしてこれから家を建てる方が何を意識しておくべきかをまとめました。
4年分の制度を並べてみる
| 実施年 | 制度名 | 対象世帯 | 主な補助額(新築) |
|---|---|---|---|
| 2023 | こどもエコすまい支援事業 | 子育て世帯・若者夫婦世帯のみ | ZEHレベル基準 一律100万円/戸 |
| 2024 | 子育てエコホーム支援事業 | 子育て世帯・若者夫婦世帯のみ | 長期優良住宅100万円/ZEH住宅80万円 |
| 2025 | 子育てグリーン住宅支援事業 | GX志向型住宅は全世帯/長期優良・ZEHは子育て世帯等 | GX志向型160万円/長期優良80〜100万円/ZEH水準40〜60万円 |
| 2026 | みらいエコ住宅2026事業 | GX志向型住宅は全世帯/長期優良・ZEHは子育て世帯等 | GX志向型110〜125万円/長期優良75〜80万円/ZEH水準35〜40万円 |
※金額は寒冷地域(1〜4地域)での加算や、既存住宅除却時の加算(+20万円)を含まない基本額です。地域や条件によって実際の金額は変動します。
見えてくる3つの傾向
① 対象世帯は「子育て限定」から「性能次第で全世帯」へ広がった
2023〜2024年は、どの性能区分であっても子育て世帯・若者夫婦世帯でなければ補助を受けられませんでした。ところが2025年に「GX志向型住宅」という最上位区分が新設されると、この区分に限っては世帯構成を問わず全世帯が対象になりました。つまり「高い省エネ性能を実現するなら、世帯要件は問わない」という方向に制度が広がってきています。

② 一律金額から「性能に応じた傾斜配分」へ
2023年はZEHレベルを満たせば一律100万円というシンプルな制度でした。2024年からは長期優良住宅とZEH住宅で金額差がつき、2025年にGX志向型住宅が加わったことで、性能が高いほど補助額も大きくなる3段階構成が定着しました。単に「省エネ住宅なら定額」ではなく、「性能を上げるほど補助も増える」という設計に変わってきています。
③ 補助額のピークは2025年、2026年はやや抑制傾向
各区分の金額を並べると、2025年の子育てグリーン住宅支援事業が最も手厚く(GX志向型160万円)、2026年のみらいエコ住宅2026事業ではGX志向型110万円、長期優良75万円、ZEH水準35万円と、全区分で減額されています。制度自体は継続していますが、年度の予算規模によって金額は上下するため、「前年と同じ金額がもらえるはず」という前提で資金計画を立てるのは危険だとわかります。
変わらないリスクは「予算上限での早期終了」

制度の中身は毎年見直されていますが、変わらないのが「予算上限に達し次第、受付終了」というルールです。2023年のこどもエコすまい支援事業は、当初の想定より約3ヶ月早い2023年9月に受付を終了しました。「年末まで期間があるから大丈夫」と思っていると、着工前に締め切られてしまう可能性は毎年あります。
これから家を建てる人が意識しておきたいこと
- 性能基準は年々底上げされる前提で計画する:ZEH水準止まりではなく、GX志向型レベルを見据えた仕様にしておくと、制度が変わっても対象から外れにくくなります
- 金額は年度ごとに変動する:前年の金額を基準に資金計画を組まず、着工時点の最新情報を都度確認しましょう
- 申請は着工前が原則、早めの相談を:予算消化による早期終了は毎年起こり得るため、ハウスメーカーや工務店とスケジュールを早い段階ですり合わせておくことが大切です
- 寒冷地は優遇加算がないか確認する:北海道など寒冷地域では基本額に加算がつく年が多いため、該当する場合は必ずチェックしましょう
まとめ
こどもエコすまい支援事業から始まった住宅省エネ補助金は、名前を変えながらも「性能が高い住宅ほど手厚く支援する」という方向性を強めてきました。対象世帯は子育て世帯限定から徐々に広がり、補助額は性能区分による傾斜配分が定着し、金額自体は年度の予算次第で変動しています。
制度の詳細は今後も変わっていくはずですが、「性能を上げておくほど有利になる」「予算上限に達すると早期終了する」という2つの傾向は当面続くと考えられます。2026年時点の制度の詳細については、こちらの記事でも解説しています。


